介護の現場で役立てられる【介護職員初任者研修】の資格を取るために、実際に通学して講義や実習を受講してみました。(現在、筆者は介護職員初任者研修の過程を終了しました。)
実際に受講をして、介護職員初任者県研修ついて学んだこと「7老化の理解」について、まとめてアウトプットしてみようと思います。
(本記事は、介護職員初任者研修の講義や実習で学んだことや、「介護職員初任者研修テキスト」(中央法規)等より参照しています。)
Contents
老年期の発達と老化に伴う心身の変化の特徴
老化と老年期
老化現象(ストレーラー) 生理的老化と病的老化
- 生理的老化 記憶力の低下、軽度の動脈硬化、生理機能の低下
- 病的老化 高血圧症、糖尿病、強い動脈硬化などによって引き起こされる脳血管障害や心臓病、血管性認知症などがある
WHO(世界保健機関)では高齢者を60歳、または65歳以上を高齢者としている。
介護保険(65歳以上以上対象)
65歳以上が対象
- 高齢者虐待防止法
- 老人福祉法
高齢者の医療を確保に関する法律
- 前期高齢者 65歳以上75歳未満
- 後期高齢者 75歳以上
道路交通法
- 70歳以上75歳未満は、免許証の更新時に高齢者講習を受講する。
- 75歳以上は、免許証の更新時に認知機能検査を受けて、高齢者講習を受講する。
- 75歳以上で一定の違反行為があった場合は、臨時認知機能検査を受ける。
エリクソン 人間を年齢レベルと発達課題で8つの段階に分類 最後の段階を老年期とする。
代表的な老化学説
- 消耗説
- 代謝率説
- 老化プログラム説
- 機能衰退説
- エラー破局説(DNA障害説)
- フリーラジカル説(有利基説)
老年期の発達と老化に伴う心身の変化の特徴
喪失体験(配偶者や友人とのし別) 高齢者の心身の負担になる
人間関係や職業、生活習慣による生活経験の個人差は心理や行動に影響。
老化による心理や行動は様々な要因が影響を与えている。
キューブラ・ロス(アメリカの心理学者)
老化に伴う心身の機能の変化と日常生活への影響
円背(えんぱい)猫背 腰が曲がったり、膝が伸びにくくなる。(変形性関節症)
皮膚の変化
外部からの刺激に対する反応が低下する。皮膚は乾燥しやすくなる(ドライスキン)、褥瘡に注意。
毛髪の変化
髪の成長期間2年〜6年 1日に100本抜ける
爪の変化
爪は皮膚の表面上の角質が変化したもの ケラチンからできている 肥厚(ひこう)、巻き爪
視覚機能の変化
視界からの情報の8割は視覚による 老眼(老視)、かすみ、視野が狭くなる、色覚の低下
明暗順応が低下(暗いところから明るい所、明るいところから暗い所に出た時に目が明るさに慣れること)
聴覚機能の変化
高齢者の難聴の多くは、内耳の障害による感音性難聴である。
- 感音性難聴 耳の最も深い部分
- 伝音性難聴 外耳や中耳の何らかの原因
高齢者は合併している 補聴器でも拾えない
高齢者は耳が聴こえにくい ゆっくり、静かに話してあげることが重要。
- 高音域は聞き取りにくい(モスキート音)
- 似たような音の聞き取りが困難になる。
- ヒソヒソ話はよく聴こえている。
皮膚感覚の機能
外的な刺激に対して反応が鈍くなる
咀嚼機能の変化
- 大人の歯は28本〜32本ある(親知らずが生えない人がいる)
- 歯周病 虫歯や脱荒くはを防ぐ、80歳までに20本残すことを目指す。
- 元気な秘訣は口腔ケア 感染症予防、インフルエンザ
嚥下機能の変化
嚥下反射が低下する。誤嚥しやすくなり、誤嚥してもむせにくくなるため、窒息などに注意が必要。
歯がもろくなる、唾液の分泌量が減少する、噛む為の筋力が低下する。
嚥下(えんげ)咀嚼を終えて食塊となった食べ物は食道を通って胃に送られる。
食道の蠕動運動(ぜんどう) 食塊は食道を通過して噴門に至る。
誤嚥(ごえん)飲み込んでむせること。
循環器の機能の変化
- 酸素を運搬する赤血球の数が減少する。(血液は骨髄で作られる)
- 不整脈の頻度が上がる
- 加齢とともに血管壁が熱くなり、高血圧になる傾向がある。
血圧
収縮期血圧(最高血圧)が上昇する傾向がある。
- 収縮期血圧 心臓が収縮した時の血圧
- 拡張期血圧 心臓が拡張した時の血圧
高齢者は起立性低血圧を起こしていないか確認する(立ちくらみ、失神)
レッグパンピング(下肢ポンプ作用)足首や膝の曲げ伸ばしをする。
呼吸器の機能の変化
人間は肺胞において血液との間でガス交換(外呼吸)を行い、
血液と組織の間で酸素と二酸化炭素の交換(内呼吸)を行う。
呼吸=ガス交換 (酸素と二酸化炭素)
円背になると呼吸が苦しくなる、内蔵が圧迫されて肺活量が減る、深呼吸をする回数が減る(綺麗な空気のところで深呼吸をする)
誤嚥性肺炎になりやすい。
筋、骨、関節の機能の変化 高齢者は筋力が衰えてくる
- 女性は骨密度が早く減少するので、骨粗鬆症になりやすい。
- 骨折は高齢者のQOL(生活の質)を損なわせる。
神経伝達物質(ドーパミン)
加齢とともにドーパミンの減少 パーキンソン病
泌尿器の機能
腎臓 血液の老廃物をろ過し水分と主に尿として排出する
尿失禁
- 腹圧性尿失禁 咳、くしゃみ、走る、跳ぶなどで腹圧がかかった時に起こる。安静臥床時は通常盛れないのが特徴。
- 切迫性尿失禁 急に起こる我慢ができない強い尿意(尿意切迫感)とともに漏れる。過活動膀胱の中核的症状。頻尿、夜間頻尿。
- 溢流性尿失禁(いつりゅうせい) 排尿障害に伴い、膀胱内の残尿がだらだらと漏れてくる。前立腺肥大症、下部尿路閉塞、神経因性膀胱による膀胱収縮低下による排尿障害。
- 機能性尿失禁 関節の痛みや脳血管障害の後遺症などによる歩行障害、認知症による認知機能障害などにより間に合わず漏れる。尿道、膀胱機能は正常。
体温維持機能の変化
体温調節 大脳や間脳の視床下部は指令を出して体温が一定になるように調整している。
シバリング ガタガタと震える 体温が下がった時に筋肉を動かすことで体温を保とうとする生理現象
高齢期の体温の特徴
- 高齢になると基礎代謝が低下し、30〜40歳代と比較すると男性で20%、女性で15%前後熱生産量の低下が見られる。
- 筋肉量が低下し、熱生産量の低下が見られる。
- 抹消血管の収縮反応が鈍くなり、熱の放散が起きやすく低体温になる。
- 骨量や筋肉量が減少し、活動の低下につながり、骨格筋による熱生産が減少する。
- 暑さ寒さが感じにくく、反応するにも時間がかかるようになる。
- 加齢とともに動脈の壁は弾力を失い、かたくなり血流が衰える。
- 体温調節中枢の機能鵜が低下し、発汗を促す自律神経からの汗腺への指令が遅れる。
- 成人の体の総水分量が約60%あるが、男女とともに10%減少し、水分不足が起こりやすくなる。
- 腎機能の低下により、尿の濃縮機能が起こり、尿量が増し、体の水分が減少する。
- 口渇感が減り水分摂取量が減少。
- 高温の環境に置かれた場合の核心温(身体深部の温度)の上昇度が若い人より大きくなり熱中症にかかりやすくなる。
記憶機能の変化
記憶とは
- 記憶は情報を入力する「記銘」(符号化)
- 記名された情報を蓄える「保持」(貯蔵)
- 保持された情報を検索し引き出す「想起」(検索)
記憶
- 感覚記憶 何かが目に止まった瞬間に目に焼きつくような記憶 デジャブ
- 短期記憶 15秒〜20秒で消える記憶
- 長期記憶
長期記憶
- 意味記憶 単語や記号の意味
- エピソード記憶 経験や出来事 忘れやすい
- 手書き記憶 体験しないと覚えない(自転車、駅の入り方) 忘れにくい
回想法 人生経験を高齢者に話し合ってもらうことで、記憶の回復や日常生活の関心、コミュニケーションを深めることを目的とした支援技術。
認知機能の変化
認知機能とは、身体各部からの情報の認識、感覚機能を通じて外部から取り入り得る情報の認識や、話す、計算する、判断擦り、記憶する、施工するなど、脳における知的機能を総称している
- 認知機能 脳の知的機能の総称
一般に新しいものを覚える能力、計算・暗記などの学習能力など、生まれながらに持っている流動性知能は加齢とともに低下する、
判断力や理解力など経験や学習で獲得された結晶性知能はほとんど変化しない。
- 流動性知能 新しいものを覚える
- 結晶性知能 判断力、理解力は年齢に変化しない
認知症 行動そのものがわからない
大脳皮質
- 前頭葉 主に思考や判断をして行動に移す機能を持つ。運動性言語野(ブローカ野)は言葉を話す時に喉や口の筋肉に命令を出している。
- 頭頂葉 主に知覚や感覚を司り、体性感覚として認識する。
- 側頭葉 主に聴覚や記憶を司り、感覚性言語野では言語の理解をする。
- 後頭葉 主に視覚を司る。
大脳辺縁系
- 扁桃体 情動、感情、直観力、恐怖感、不安、緊張の処理をする。
- 海馬 主に記憶をつかさどる。
間脳
- 自律神経系や内分泌系の機能を総合的に調整する。
- メラトニンを分泌し、概日リズムを調整する。
脳幹
- 延髄 嚥下、呼吸および循環、消化の中枢が含まれ、生命維持に不可欠な機能を担う。
小脳 運動機能の調節。並行。眼球運動の調節などをする。
高齢者と健康
高齢者の症状・疾患の特徴
生活習慣病(糖尿病・脂質異常症)慢性疾患
複数の疾患を持っていることが多くなる→お薬手帳
否定的な症状
無痛性心筋梗塞
無熱性肺炎
決まった症状が出ない
- 心筋梗塞
- 誤嚥性肺炎
感染症
- 扁桃腫瘍
- 咽頭痛
- 尿路系感染
高齢者の疾病と日常生活上の留意点
痛み(腹痛)
みぞおちの下(中央)心筋梗塞
結石の痛み 我慢できない痛み
痛み(骨・筋肉・関節)
慢性疼痛 数週間以上の時間をかけて現れる足腰や節々の痛み
主な疾患
- 変形性関節症
- 関節リウマチ
- 腰背部脊椎骨の骨粗しょう症 (腰痛や膝の関節症)、圧迫骨折
浮腫(むくみ)
エコノミー症候群(血栓ができる)
体に炎症があると、水分がたまる。胸水、腹水、浮腫
便秘
- 器質性便秘 腸の病気によるもの(大腸ガン)
- 機能性便秘 大腸の運動機能や反射の異常による便秘
過去に受けた腹部の手術に関連、服用している薬剤の影響
下痢
感染症
- ウイルス性 ノロウィルス
- 細菌性 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
誤嚥
誤嚥 喉頭蓋という気管への誤嚥を防ぐふたの開閉が悪くなる
窒息の危険性 食材の調理に工夫する
高齢者に多い病気と日常生活上の留意点
生活習慣病
- 糖尿病
- 高血圧症
- 脂質異常症(高脂血症)
- 痛風(酸血症)
- アルコール性肝炎
食事や運動、喫煙、アルコール摂取ばかりでなく、適度な休息や睡眠も重要
三大生活習慣病
- がん
- 心疾患
- 脳血管疾患
介護時のチェックポイント 生活習慣病
- 三大生活習慣病に関わりの深い症状(食欲の変化、息切れ、体重の変化、四肢の移動、感覚異常)
- 食事や運動、喫煙、飲酒の習慣で極端ばものはないか。
- 血液検査や身体計測の健康診断で注意すべき点はないか。
- 長期間服用したり、過去に服用していたりした薬にはどんなものがあるか。
骨の働き
- 支持作用
- 保護 脳を保護、体内の臓器を守る
- 運動 筋肉によって動かせる
- 増血 骨髄で血を作る
- 貯蔵 カルシウムを貯蔵、体のバランスを整える(ミネラル鉄分)
筋肉
- 骨格筋 自分の意志によって動かせる
- 平滑筋 命令して聞いてくれる、内臓、自分の意志で動かない
高齢者によく見られる病気
- 骨粗しょう症
- 大腿骨頸部骨折
- 転倒
- 変形性関節症
- 腰部脊柱管狭窄症 長く歩いたりすると中心を走る脊髄を圧迫して痛みが出るもの 下肢しびれ感
- 関節リウマチ
知覚系の病気
- 白内障(手術で改善)
- 緑内障
- 黄斑変性症
- 加齢性難聴
呼吸器系の病気
CORD慢性閉塞性肺疾患 HOT(在宅酸素療法)使用する時は火気厳禁。
慢性の肺疾患 (肺気腫、慢性気管支炎)
腎、泌尿器の病気
糖尿病合併症
- 腎症 腎臓病
- 網膜症 失明
- 神経症 切断
消化器の病気
介護を擁する高齢者によく見られる病気・病態
- 胃・十二指腸潰瘍(消化性潰瘍)
- 胃がん
- 大腸ガン
- 慢性肝炎・肝硬変
循環器の病気
心不全 新機能の低下が一挙に進み、心臓が収縮して血液を拍出する力が弱まり、息切れ、動悸、呼吸の苦しさが現れる、このような状態を心不全という。
虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)
不整脈
急に失神状態になる アダムス・ストークス症候群
脳血管疾患
- 脳梗塞 血栓によって血流が滞った状態
- 脳出血 動脈が破裂して出血を起こした状態
- くも膜下出血 脳の外の動脈にできたコブ(脳動脈瘤)が敗れた状態
パーキンソン病
中脳の黒質の神経細胞の変化による 手指の震え、細かい動作がうまく行えない
認知症、うつ病
認知症 精神疾患の一つ 物忘れといった認知機能の低下
アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症
仮性認知症 治療や経過とともに軽快する
介護保険の特定疾病
40歳以上65歳未満の第2号被保険者
16の疾病(特定疾病)
- がん(がん末期 回復の見込みがない状態と医師が判断した時)
- 関節リウマチ
- ALS(筋萎縮性側索硬化症)
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗しょう症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患 脳梗塞、脳取穴、蜘蛛膜下出血 (片麻痺、言語障害、認知機能障害)
- 閉塞性動脈硬化症
- CORD(慢性閉塞肺疾患) 慢性気管支炎、肺気腫
- 変形性関節症 両側の膝関節または股関節にいちじるしい変形を伴う変形性関節症
感染症
細菌感染症 膀胱炎、腎盂炎(尿路感染症)・呼吸器感染症・胆道感染症
感染に続発する敗血症
- ウイルス感染症 インフルエンザウイルス、ノロウイルス
- 結核
- 新しい感染症 エイズ AIDS(後天性免疫不全症候群)
- SARS(重症急性呼吸器症候群)
- 新型インフルエンザ
(本記事は、介護職員初任者研修の講義で学んだことや、「介護職員初任者研修テキスト」(中央法規)より参照しています。)
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