介護の現場で役立てられる【介護職員初任者研修】の資格を取るために、実際に通学して講義や実習を受講してみました。(現在、筆者は介護職員初任者研修の過程を終了しました。)
実際に受講をして、介護職員初任者県研修ついて学んだこと「6介護におけるコミュニケーション技術」をまとめてアウトプットしてみようと思います。
(本記事は、介護職員初任者研修の講義や実習、「介護職員初任者研修テキスト」(中央法規)などより参照しています。)
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Contents
介護におけるコミュニケーション
コミュニケーションの意義、目的、役割
利用者等とのコミュニケーション
高齢者
- 加齢により視力、視野が狭くなる。
- 聞こえにくくなる、特に高い周波数の音が聞こえにくくなる。低い声の方が伝わりやすい。
- 加齢による物忘れが起こることがある、思い出せない、認知症の物忘れとは異なる。(食事した内容を忘れるのは物忘れ、食べたことを忘れるのは認知症)
- 反面、過去の出来事や体で覚えたような記憶は思い出せる。
介護職がより有効な対人援助を行うためには、利用者をよく知るとともに、自分自身をよく知ることが基本。
- 必ず利用者に声をかける。
- 表情や動きなど、全身を観察してみる。
適切な自己開示、および相手の自己開示の家庭への理解を図る。
コミュニケーションの技法
メッセージの送り手と受け手
コミュニケーション 基本的の双方向の機能を持つ。
座り方
- 並行型 話しやすい
- 対面型 緊張する
- 直角型(斜め45度) 座りやすく、不快にならない。(居心地の良さは人によって違う。)
言語的チャンネルと非言語チャンネル
メッセージを伝える伝達経路(チャンネル)
言語的チャンネル 話し言葉、書き言葉など すべてのチャンネルの占める割合 2〜3割
非言語チャンネル ジェスチャー、表情、声の調子の恋亭、強弱、身体的接触。漂う香り、服装や髪型など すべてのチャンネルの占める割合7〜8割
- 言葉以外(ノンバーバル)での会話(ノンバーバルコミュニケーション)
- 言葉だけではお互いに通じないことがある。
- 笑みを含んだ顔、おこったかお、渋い顔などで同じ言葉で相手の取り方は変わる。
- 声の調子、高低。
コミュニケーションを妨げる要因を雑音という。
雑音
- 物理的雑音(大きな音、耳障りな音、不適切な温度、汚れた空気、悪臭、不適切な光の強さ)
- 身体的雑音(入れ歯、疾病による聴力の障害、言語障害)
- 心理的雑音(心理的な防衛機制)
- 社会的雑音(社会的圧力、偏見に基づく先入観)
話を聞くときの技術
受容〜積極的傾聴〜ひたすら聴く〜
- 相槌を打つ(時話し相手に肯定を表し、相槌を打つと話しやすくなる)そうそう、ええ、ウンウン、そうなんだ、はい。
- ひたすら相手のいうことを理解し受け止める。自分の意見を相手に押し付けない。(話し手の発言に偏見を持たず聞く)
相手の内容を繰り返す
- 話し手が言った内容をそのまま繰り返す。
- 短く要点をつかんで相手の言った言葉で繰り返す。
話し手の感情を明確化する。
- 話し手の感情をまとめる。
話し手を肯定する(支持する)
- 話し手を肯定し指示や承認をする。
利用者の意欲の低下
- 共感する
- 人間関係を活用する
- 自己決定を尊重する
- ストレングス(利用者の持っている強さ・能力、意欲、自信、志向など)
利用者の感情に共感する
- 第1共感 相手の話をよく聞き、その話の内容を理解し、話に含まれている思いを受け止め、内容の理解と思いをこちらの言葉に変えて応答する。
- 第2共感 第1次共感よりもさらに一歩進んで、相手が表出していない、心の中に込められた思いも含めて応答する技法。より深い関わりを持つ、人によって時々違う。
イーガン(アメリカの心理学者)は共感の技法を第1共感、第2共感という2つのレベルに分けている。
第1共感 ○○(理由)だから〜(感情)ですね。
第2共感 相手が言語的に表現していない内面や思いを深く洞察して、その思いが生まれた背景を的確に理解して、相手に伝わりやすいようにもどす。
- 本当にわかってくれる人が今ここにいる。
- 介護の現場は、第2時共感は意識せずに用いられることが多い。
- 大切な人との関係を修復したり、様々な葛藤との折り合いをつけたりすることを支える役割。
家族の心理を理解する・信頼関係を形成する
バイスティックの7原則(介護職が守る原則)アメリカの社会福祉研究者
バイスティックは、ソーシャルワーカーがクライエント(援助対象者)に個別に関わる際の実践原則として7項目を示している。
- 個別化 利用者が人生経験に基づいた独自性を持った個人であると迎えられる権利とニーズを持っている。利用者を個人として捉える
- 意図的な感情表現 利用者の感情が情緒的なものであるときに、利用者が肯定的・否定的感情を表現したいというニーズを持っている。利用者の感情表現を大切にする。
- 統制された情緒的関与 利用者が、援助者から適切な反応を受けたいというニーズを持っている。援助者は自分の感情を自覚して吟味する。
- 受容 生まれながらの尊厳と価値を持っていると認識を持ち、利用者の現実のあるがままの姿を把握し、接すること。利用者を受け止める。
- 非審判的態度 利用者を非難したり問い詰めることではなく、援助することであると自覚すること。利用者を一方的に非難しない。
- 利用者の自己決定 利用者は問題解決の方向などを自分で決める権利とニーズを持っていることを認識すること。利用者の自己決定を促して尊重する。
- 秘密保持(プライバシー)秘密の情報を他人に漏らさないこと。秘密を保持して信頼感を作り上げる。
介護職が自分の価値観で、家族の意向を判断しないという態度、また、自分の価値観に基づいて家族の考え方や行動を非難してはならない。
視力の障害に応じたコミュニケーション技術
視力が落ちると段差につまづきやすい。
見える範囲で声をかけていく(後ろから声をかけない)
聴力の障害に応じたコミュニケーション
- 難聴 少しは聞こえる状態
- ろう ほとんど聞こえない状態
聴覚障害
- 伝音性難聴 外耳・鼓膜から中内耳までに伝音系に機能障害がある
- 感音性難聴 内耳に音の振動が電気的な信号に変換されて伝わる部分に損傷がある
- 混合性難聴 伝音性難聴、感音性難聴が両方ある場合
筆談 大切なキーワードは書いて見せる。
補聴器 合わないとストレスになる(耳で聞こえるように音を選んで聞けない)普通の声の大きさで顔と顔の向きを合わせてはっきりゆっくり話した方が聞き取りやすい。
難聴のある人とコミュニケーション
- 正面に回って肩をたたくなど簡単な合図をする。
- 普通の声の大きさで話す。
- 顔を合わせて表情や口元が見えるように話す。
- 口の大きさはゆっくりはっきり話す。
- 大切なキーワードは繰り返したり、メモをして伝える。
- 同時に二人以上が話さないようにする。
- テレビを消すなど周囲を静かにする。
- 通じにくい場合は他の言葉で言い返したり、ジェスチャーをつけて見せる。あるいは書いて伝える。
利用者自身の「伝えたい」「知りたい」「関係を作りたい」という気持ちや意欲を導くために大切。
待つ!
- 介護しやすいように自己流に変えてしまう✖️
認知症 時間・場所・季節 見当識障害
拒否には理由がある(例 お風呂が嫌いな理由を考える)
- 羞恥心
- 濡れるのを嫌がる
- 目に入るのを嫌がる
- 信頼関係がない等
介護におけるチームのコミュニケーション
記録における情報の共有化
介護の現場は、記録があることによって統一した援助を行うことができる。
フェイスシート:利用者の概要 介護記録の最初のページに置かれているもの。このシートを見るだけで利用者の概要を把握することができるように、様々な工夫が施されている。
アセスメントシート:事前評価を行うための調査票
アセスメント 利用者が直面している生活上の困難を解決するために、必要な情報を収集し、情報の分析、解釈、関連付けを行ない課題を明らかにすること。
介護計画書 アセスメントによって明らかになた利用者の望む生活の実現に向けて、長期目標、短期目標を設定し、目標達成のために必要な援助を立案するために書式
記録の書き方 記録の後に、必ず署名あるいは捺印をして記録内容の責任の所在を明らかにすることも必要。
過剰介護は自立を損ねる
バーンアウト(燃え付き症候群)
報告・連絡・相談
報告・連絡・相談の必要性 記録を残す。
- ユニットケアによって、一人一人の介護職に任される業務の範囲が明確に。
- その場にいた介護職がどのように報告・連絡・相談をするのか、これまで以上に介護現場における報告・連絡・相談の適切さが問われる。
コミュニケーションを促す環境
会議は情報共有の場、問題解決の場である。
会議に参加するときは、他者の意見に耳を傾け、自分と違う意見が違う人の発言についても遮らない。
ケアカンファレンス・事例検討
本人の意向や希望を踏まえて、参加メンバーが知識と技術と政権地を集結し、より良い介護について考える場である。
個別サービス計画:介護支援専門員(ケアマネージャー)が作成するケアプラン(居宅サービス計画、施設サービス計画)の目標を実現するために専門職ごとに立案された、利用者に関わるより詳細な計画のこと。
サービス担当者会議(サセキ)
介護支援専門員(ケアマネージャー)が呼びかけ、居宅サービス事業者の担当者が集まって開催される。
ケアプラン(居宅サービス計画)原案の内容について、担当者から、専門的な見地から意見を求めることを通じてケアプランの内容を検討していく会議。
原則として利用者本人や家族も参加する。
ケアプランの原案をもとに、本人や家族の憩いを確認した上で支援の方針や目標を明確にし(ケアの目標・ケアプラン)関係者がどのような協力体制を組むか話し合う。
(本記事は、介護職員初任者研修の講義や「介護職員初任者研修テキスト」(中央法規)より参照しています。)
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