介護の現場で役立てられる【介護職員初任者研修】の資格を取るために、実際に通学して講義や実習を受講してみました。(現在、筆者は介護職員初任者研修の過程を終了しました。)
実際に受講をして、介護職員初任者県研修ついて学んだこと(2人権と尊厳を支える介護)をまとめてアウトプットしてみようと思います。(本記事は、介護職員初任者研修の講義や実習、「介護職員初任者研修テキスト」(中央法規)より参照しています。)
Contents
人権と尊厳を支える介護
①人権と尊厳を支える介護
尊厳とは?
2000年介護保険制度を導入して初めて使われ、もっと個人を大切にしていく「尊厳」をベースにして法律を作られなければならない。
《文化・習慣・価値観》こだわりを尊重すること(一律に同じではなく一人一人違ったサービスを提供する。)
その人らしい人生の完成を目指す(その人らしく人生を終える)
介護保険法第1条 自立支援は《尊厳を保持する》
社会福祉に大きな影響を与える。
日本国憲法第13条《幸福追求権の尊重》
第13条 すべての国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び、幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
今よりもっと良い生活をしたい。人間は常にしあわせになりたいと考え、より良い今よりももっとしあわせになりたいと思う。
いつも向上心を持っていて、現状に満足していない。課題や不安、病気や仕事ができないと悪くなってそんな時に福祉が必要になる。
福祉の役割は、幸せでない人を豊かな状態に戻す。
国として義務があり、国民が主張する権利がある。
日本国憲法第25条《生存権の保障》
- すべての国民は健康で文化的な最低限どの生活を営む権利を有する。
- 国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
福祉は権利であると明記している。困っている人たちはすべての生活について社会保障していく。
健康で文化的な、最低限度の生活を営む権利。→日本の実情として日本の社会福祉が十分行き届いていない。
- 参政権
- 平等権 第13条 幸福追求権の尊重
- 社会権 第25条 生存権の保障
- 自由権
- 人格権 人間として尊厳を侵されない権利、プライバシー権、体罰を受けない権利
- 受益権(請求権)
権利擁護の視点
「権利の代弁、擁護」アドボカシー(advocacy)
アドボケイター その人の代わりに守っていく。
介護職に求められる権利擁護の視点
- 利用者主体を徹底的に貫く
- 潜在的な権利侵害を防ぐ
- 家族の権利擁護を共に担う
- 他職種連携のもとで支援する
サービスを受ける人(高齢者、認知症の人)の権利を侵害しないように徹底する。
介護における尊厳の保持の実践
マザーテレサの言葉 4つの幸せがある
- 愛する人がいること
- 愛されること
- 必要とされること
- 役割があることー存在する
いきがいにつながる幸せになる。介護されることはマイナスではなくプラスに転化していく。
支える誰かがいればプラスの方向に変えられる。
エンパワメントの視点
エンパワメントとは
自らの課題を自ら解決していくことができる能力や技術を獲得していくこと、またそうしたことを促す支援方法。
(利用者主体、自立支援)自分の力を引き出す力。
ストレングス(その人の強み、長所)
ADL(Activity Daily Living)(日常生活動作)
食事、入浴(清潔)、排泄、移動、身支度(着替え、整容)、睡眠
その人が意欲時に取り組むことで、積極的になる。
→その人の生活歴(ストレングス)が見えてくる。生活のこだわりを考慮する
社会資源(デイサービス、ホームヘルパー等施設・機関、個人・集団)
生活の課題を解決するための手段や行動。
利用者のプライバシーの保護
- プライバシーの権利 プライバシーの権利とは、個人や私生活上の事項が他人から干渉されたり、侵害を受けたりしない権利を意味する。
- プライバシーの保護 利用者自身の権利や意向が秘密保持によって守られる場合、プライバシーは確実に保護されなければならない。
②ICF
ICF 国際生活機能分類 生活機能を捉える構成要素
ICFの特徴は、生活機能(できること、していること)というプラス面を重視していること。
生活機能をとらえる構成要素
生活機能は、「心身機能・身体構造」「活動」「機能」の三つの構成要素からなる。
そこに、「健康状態 変調または病気」「個人因子」「環境因子」が相互に影響を与え合う環境で利用者全体像をとらえようとするもの。
情報収集によって得られた利用者の情報を整理できて、それをもとにしてアセスメントを進め、多角的かつ客観的な視点でどのような介護が必要なのかを考えることが可能になります。
- 機能障害
- 能力障害
- 社会的不利(ハンディキャップ)
③QOL
QOL :Quality of Life(生活の質、生命の質)
ある人の生活状態が、どれだけ人間らしく自分の望んだ通りの生活ができているかを評価し、その人がどれだけ人生に満足感と幸福感を得ているのかをとらえる概念。
QOL(キューオール)
QOLの高い状態 一時も無駄にできない人生がそこにあるという認識で、高齢者と向き合う必要がある。
④ノーマライゼーション
ノーマライゼーションの定義
障害があっても障害のない人と同様に住み慣れた地域で当たり前に(普通に)暮らすこと、またそれを目指す運動。
- 障害者の子を持つ親が発端。施設をやめて地域に広げる(地域の受け皿作り)。
- 地域は健常者と分けることで脱施設化 インフラやバリア対策でお金がかかる。(税金)
- ノーマライゼーションとは、障害の有無に関わらず、誰でも参加することができ、普通に暮らせる社会を目指すという意味である。障害者だけでなく弱い立場にある人がさまざまな理由で差別されることなく、住み慣れた地域社会のなかでその人らしく安定した暮らしができるよう、環境や支援を整えるという考え方である。
- ノーマライゼーションの理念は、デンマークのバンク・ミケルセンによってはじめて提唱された。この理念は、スウェーデンのニィリエによって引き継がれ、具体的な政策の方針を明確化した。
- アメリカのADA法(障害をもつアメリカ人法)は、ノーマライゼーションの考え方が発展し制定されたものである。アメリカやカナダではヴォルフェンスバーガーによってノーマライゼーションの理念は発展し、身体障害者の自立生活保障分野でADA法制定へと結びついた。
- 障害児教育の分野では、ノーマライゼーションは、普通の学校や学級に統合するインテグレーション(統合教育)が進められたが、現在はインクルージョン(包括教育)の考え方に変化している。
- 高齢者介護においては、地域社会でさまざまな人々と関わりながら、また少人数の規模で生活することが、ノーマライゼーションの理念を具現化したものである。人間らしく、またその人らしく生きるというノーマライゼーションの理念を実現するには、巨大施設において画一的な支援を受ける生活では難しいといえる。
⑤虐待防止・身体拘束禁止
高齢者の虐待防止
障害者虐待 障害者虐待防止法
- 擁護者による障害者虐待
- 障害者福祉施設従事者による障害者虐待
- 使用者による障害者虐待、と規定。
人間の尊厳を支える職業である介護職は、たとえどんな理由があったとしても自ら虐待をするようなことがあってはいけません。
- 身体的虐待
- 心理的虐待
- 介護等放棄(ネグレクト)
- 経済的虐待
- 性的虐待
虐待>身体拘束等の不適切なケア>軽微なルール違反や、無意識的な判断ミス
不適切なケアにならないよう、適切なケアを心がける。
(本記事は、介護職員初任者研修の講義や実習、「介護職員初任者研修テキスト」(中央法規)等より参照しています。)
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