介護の現場で役立てられる【介護職員初任者研修】の資格を取るために、実際に通学して講義や実習を受講してみました。(現在、筆者は介護職員初任者研修の過程を終了しました。)
実際に受講をして、介護職員初任者県研修ついて学んだこと「13食事に関する介護」について、まとめてアウトプットしてみようと思います。
(本記事は、介護職員初任者研修の講義で学んだことや、「介護職員初任者研修テキスト」(中央法規)より参照しています。)
Contents
食事に関する基礎知識
食事バランスガイド
食事バランスガイド 1日に何を・どれだけ食べたら良いかという適量を料理区分(主菜、副菜、主菜、牛乳、乳製品、果物)別に、おおよその量をイラストで示したもの。
食欲とは
空腹や満腹感は、視床下部の摂食行動を司る本能行動や体温調節、血圧などの自律神経機能や内分泌機能を調整する中枢。なかでも、神経核と呼ばれる部位が接触機能に関係する。
摂食と嚥下運動
食事の動作は、先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期といった段階があり、これを摂食・嚥下の5段階という。
- 先行期 食べ物の形や、匂いなどを認知する時期
- 準備期 食塊を整える時期、捕食、咀嚼、食塊形成の3段階がある。
- 口腔期 食塊を口腔から咽頭へ移送する時期。
- 咽頭期 食塊が咽頭を通過する時期。喉頭蓋が反転して、喉頭の入り口を閉鎖する。
- 食道期 食塊が食道入り口部から胃へ移送される時期。
消化器のしくみ
口腔では咀嚼によって唾液(アミラーゼ)と混ざり、炭水化物や糖質を分解する。途中通過する咽頭、咽頭と胃をつなぐ食道では食べ物が蠕動運動によって移送される。
胃は袋状の器官であり、入り口から噴門(ふんもん)、胃底部、胃体部、幽門部(ゆうもんぶ)と呼ばれている。
高齢者は口腔蓋の筋力が弱くなる、力がないからむせるのも弱い
食形態
- 常食
- キザミ食(一口大、極キザミ)
- ソフト食
- ミキサー食
食事環境の整備と食事に関連する用具の活用方法
食事の姿勢に配慮する
基本的な姿勢としては、両足を床に、両肘をテーブルに、それぞれきちんとつける。
そして、座位が保持できる椅子を使用し、誤嚥しないようにやや前傾した姿勢をとるのがよい姿勢といえる。麻痺側の手のひらを下にテーブル乗せて体を安定させる。
全介助を要する利用者の介助方法
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介護職は利用者の体調を確認して、食事の介助を行うことを伝え同意を得る。この時、トイレを済ませたかも確認する。
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介護職は利用者のベッドサイドに立ち、ベッドの高さを調整することを利用者に同意を得て、ベッドのキャスターがロックしてあることを確認してベッドの高さをあげる。このとき、利用者に体調を確認する。
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介護職は利用者の膝下にクッションを入れる。
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介護職は利用者にベッドの頭側を高くすることを伝えて同意を得る。ギャッチアップするときに途中で止めて利用者に体調を確認する。30度程度まであげて、利用者に体調を確認する。
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介護職は利用者にこちらに体を向けてもらうことを伝え、両手を組んでもらい向こう側の体を少し上げて背中にクッションをあてがう。
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介護職は利用者の枕を少し斜めにして、利用者の顎が下に向くように調整する。(枕やタオルを頭の下に入れて高さを調整しても良い)
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介護職は利用者の洋服が汚れないように、首元にタオルを当てる。
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必要部品の用意(おしぼり、スプーンや飲みやすいコップなど利用者が日頃使っている自助具。
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介護職は椅子に腰掛けて、利用者に食事を見せて説明する。お盆ごと持って見せたり、一品ずつ手にとって説明する。利用者が食事に興味を持ってもらえるようにメニューを説明する。「園で取れた野菜です。」「○○産の食材です。」「ご飯は新米です。」など。
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お茶や味噌汁の温度を利用者に触ってもらい確認する。利用者に食べたいものを聞いて食べさせる。まず利用者にお茶を飲むように声かけをする。このとき利用者が口にものを入れて食べているときに話しかけない(誤嚥のもとになる)。飲み込んだ後に話しかけるようにする。
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利用者が食べ終えたら最後にお茶を飲んでもらう。利用者に体調や気分を確認する。その後、おしぼりを渡して口元を拭いてもらい、手を拭いてもらう。できないところは介助する。
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下膳をする。利用者は食後はこのままの姿勢で安楽にしてもらい、しばらくしてからベッドの位置を元に戻してあげる。
視覚障害のある人の食事介助
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利用者に食事をすることを伝え、手を拭いてもらう。
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お盆やテーブルに触れてもらい、位置を確認してもらう。
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介護職は利用者に本日のメニューを説明する。クロックポジションで、1時の方向にお茶、3時の方向のかぼちゃのいとこ煮、5時の方向の味噌汁、7時の方向にご飯など、位置とメニューを説明する。
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利用者にお茶や味噌汁の温度を確認してもらう。
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介護職は極力利用者に手出しをしないで、言葉で的確に説明をする。
一部介助を要する利用者の介助方法(片麻痺がある場合)
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介護職は利用者にこれから食事をすることを伝え同意を得る。体調を確認したり、トイレは済ませたか声をかける。
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利用者を正しい位置に座らせるために、健側の手を椅子に置いて深く座ってもらう。介護職は利用者の患側の足を介助して椅子の位置を調節する。利用者のお腹とテーブルの間はゲンコツ一つ分。
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椅子がまだ遠い時は、利用者の健側の前腕を机のヘリにおいてもらい、患側の膝を支えながら立ち上がらせる。
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素早く介護職は椅子を押して、利用者を座らせる。利用者の健側の手を机の向こう側においてもらい、お尻を少し浮かせてもらい椅子を素早く押してもよい。
- 足底が床についているか、患側の上肢がテーブルの上に乗っているか材の安定を確認する。
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介護職は利用者におしぼりを渡して手を拭いてもらい、健側の手を拭いてあげる。
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介護職は利用者に食事のメニューの説明をして、お茶や味噌汁の温度を確認してもらう。
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利用者に、箸やフォークなどの位置を持ちやすいように位置を交換する。
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利用者が火傷をしないように味噌汁の位置を交換してもらっても良い。同意を得る。
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食事は終わったら、おしぼりを渡し、利用者に口元や手を拭いてもらう、できないところは介助する。
食事の介助で注意点
- 麻痺側は聞こえづらいので、介助するときは健側で行う場合がある。
- 利用者にご飯と味噌汁の位置を替えるときは必ず確認を取ってから行う。逆の向きは亡くなった人の配膳になるので、注意する。
- 車いすの場合は、フットサポートから足を下ろし、床に足底がついた状態にする。
- 基本的な食事の姿勢は、やや前傾姿勢にする。(介護職は利用者と視線を合わせて介助する)
- 片麻痺の場合、患側の口腔内に食べ物があっても気づかないことがあるので注意する。
- 食後すぐに臥床すると食べたものの逆流を招く恐れがるので、30分〜1時間程度は起きていてもらう。
咀嚼(咀しゃく)、嚥下(えん下)
口腔ケアの介助方法(片麻痺のある場合)
- 介護職は利用者に口腔ケアをすることを伝え、同意してもらう。
- 利用者の患側の手をテーブルに乗せて、手のひらを下に向けてもらう。
- 利用者の歯ブラシかどうか確認してもらい、歯ブラシをわたしてみがいてもらう。
- コップを渡してうがいをしてもらう。
- 介護職は利用者の口の中をチェックして、残債が残ってたりしたらもう一度患側を意識して磨いてもらう。
- うがい用のコップを渡してうがいを済ませ、再び利用者の口の中を確認して終了。
義歯の装着方法
(本記事は、介護職員初任者研修の講義で実習で学んだことや、「介護職員初任者研修テキスト」(中央法規)等より参照しています。)
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